昨今の日本では、男女差別の解消に向けて様々な取り組みが行われています。その中には、もちろん労働に関するものも含まれているのです。日本には、男女共同参画社会基本法や男女雇用機会均等法などの法律が制定されており、雇用の機会について男女平等を目指しています。様々な理由で完全な平等はいまだ達成されていませんが、たとえばIT業界は働く女性エンジニアの存在が増えつつあり、男女差別の撤廃が進んでいると言えるでしょう。その理由は、IT業界における実力主義が関係しているのです。どうしてもある種の業界では慣例的に男性を雇用し、女性が雇用されにくいこともあります。実際のところ、IT業界もその部類でした。
「男性は女性と比べて論理的思考力に優れる」「男性は理系向き、女性は文系向き」のような偏見があったため、IT業界は男性の方が多かったのです。こうした考えは、個々人の適性や希望を無視したステレオタイプでしかありません。しかし、女性が実際にエンジニアとして活躍し始めると話は別です。エンジニアにとって重要なのは、クライアントの要望に応え適切なシステムを構築する一点でしょう。必要なスキルや実績を持っていれば、男女の違いなど関係ありません。女性が結果を出しても先入観や偏見で活躍しにくい業界はありますが、IT業界はそうした傾向が弱いのです。と言っても、それが完全に払拭されているわけではありません。そのため、企業によっては女性を積極的に採用したり、社内に相談窓口を設けたりしています。女性エンジニアの活躍は、今後ますます加速していくでしょう。